こんにちは、ゆうまろほーむの住人「Yu」です。
今回は、Fractal Designのエアフロー最強ケース「Torrent Compact TG」でマシンを作ってみたので、簡単に紹介します。
スペック
Torrent Compactには色違いやRGBファンを搭載したものなど複数種類があります。今回入手したのは、「FD-C-TOR1C-01」で、「Torrent Compact Black TG Dark Tint」です。
項目 | 詳細 |
対応マザーボード | E-ATX(最大幅274mm)、ATX、microATX、Mini-ITX、SSI-CEB |
対応電源 | ATX(最大210mm) |
対応グラフィックボード | 最大330mm(前面ファン搭載時) |
対応CPUクーラー | 全高174mm |
対応ラジエーター | 前面:360/280/240/140/120mm 背面:120mm 底面:280/240/140/120mm |
搭載可能ファン | 前面:180/140mm×2または120mm×3 背面:120mm×1 底面:180(microATXマザーボード搭載時)/140mm×2または120mm×3 |
付属ファン | 前面:180mmファン×2(Dynamic X2 GP-18 PWM) |
IOポート | USB 3.1 Gen 2 Type-C×1、USB 3.0×2、マイク×1、ヘッドホン×1 |
サイズ | 222(W)×467(H)×450(D) mm |
重量 | 8.0kg |
カラー | ブラック、ホワイト |
一番の特徴は180mmのケースファンを2基搭載できるところです。背面が全面メッシュとなっているため、圧倒的な風量で押し出すエアフローになります。
また、水冷レイアウトにも対応しておりますが、VGA長さがラジエーター込みだと300mm以下程度になるため、制約が非常に大きいです。
組み立てと外観確認
中身のパーツにもこだわりたい
今回は、「黒」をテーマに組み立てを行いました。パーツは、ROG STRIXとnoctuaのchromax.blackを使用しました。
こちらが完成した状態になります。
サイドパネルは、左右どちらもガラスパネルとなっており、ブラックは両方ともスモークガラスです。一方で、ホワイトモデルは裏配線側のみスモークガラスで表がクリアガラスです。
一見、中身のパーツは確認しにくくなっており、光るパーツで構成した場合は、余計な部分が見えないのできれいになります。
こちらが、フロント・トップ・再度パネルを外したところです。
今回購入した、Torrent Compactですが、実は中古で目玉の180mmファンが欠品というものでした。そこで、120mmファンで構成しようと思いこの構成にしたのですが、思った以上に良かったです。
YouTubeや各レビューでは、180mmを必ず活かした構成になっているので参考になるものがありませんでした。
一つ誤算だったのが、フロントに120mmファンを2基搭載すると、ボトムが干渉してしまい、120mmファンが2基までとなってしまいました。
解決策としては、
- ボトムを3基、フロントを2基にする。
- フロントに140mmファンを2基、ボトムに120mmファンを3基
といった具合です。
ボトムに140mmファンを搭載してもよいのですが、ATXマザーボードの場合はコネクタ配線などがストレスかかってしまいあまりよろしくないかと思います。
横から見るとこんな感じです。
ビデオカードの補助電源が上から出す形になっていますが、原因としては、ケーブルの長さが足りないことです。
最近のPCケースでは電源ユニットを下部に設置することが多いため、電源ユニットもCPUケーブルが長く、ビデオカードケーブルは長くないという傾向にあります。そのため、上部に設置かつ、裏配線となるTorrentシリーズでは上から接続、あるいは延長ケーブルを使用することになります。
裏配線側はスモークのガラスパネルになっていますから、スリーブケーブルが見えてしまうことや、裏配線スペース自体が広くはないので、収納難易度が上がります。(通常のケースでは電源ボックスのストレージトレイなどに格納できる)
ビデオカード長もRTX4000シリーズの特大のモデルは入らないので、補助電源も少ないミドルクラスで組むのにちょうど良いと感じました。
より簡素に組んでみると
こちらは上記の構成を分解してあまりパーツで組みなおしたところです。
ファンが一切ついていないので、実際に運用するならここに1個~2個は追加するでしょうが、パーツの量が減ると一気に余裕が感じられます。
特にビデオカードはGTX1080TiのFounders Editionで、267mmの長さではフロント水冷を設置しても全く問題ないでしょう。
最低限の裏配線だとこのようになります。
裏面左下にはファンハブが標準搭載されており、マザーボードのファンコネクタが少なくても問題ありません。ただし、マザーボードから一番遠い場所にあるため、ケースファンのケーブル長さに注意が必要です。noctuaのファンでは、付属のエクステンダーケーブルをもってしても足りませんでした。
ケーブルが長いことで有名な、ThermaltakeのTOUGHFANであれば標準状態で接続できると思います。
電源ユニット格納部は、ケーブル収納場所とドライブベイスペースを配線隠しとして利用できますが、やはり下に電源ボックスがあるケースと比べて余裕はありません。
スペック上は210mmまでの電源ユニットが乗りますが、ケーブルを考慮すると140~160mm程度に抑えておきたいところです。(上記は、140mmの「玄人志向 KRPW-BK650W/85+」です)
感じたこと
お手入れのしやすさは最高レベル
サイドパネル、トップパネル、フロントパネル、すべてがツールフリーで分解できるため非常にメンテナンス性が高いです。
フロント、ボトムにフィルターが設置されておりますが、こちらも同様に簡単に取り外しができるためすぐに掃除ができます。
特に、ケースファンをフルで搭載すると、冷却性能も高くなりますがフィルターの目詰まりも早くなるので、分解のしやすさは非常に合理的です。
ガラスパネルだから剛性に優れる
価格に関わらず、サイドパネルが薄いケースが多くあります。最近だとデザインが非常に良く値段もそこそこなのに剛性はまずまずということも多く、個人的には気にしてしまいます。
Torrentは両サイドパネルがガラスなので歪むということはもちろんなく、剛性は最強クラスです。配線をきれいにしないと見えてしまうデメリットもありますが、重量感もあいまって高級に感じられます。
一方で、フロントパネルとトップパネルは樹脂製です。フロントパネルは独創的なデザインで安っぽさは感じられませんが、トップは樹脂感がしっかりと感じられます。高級な部分と安っぽさを感じる部分があり、トータルでは相殺しているような印象です。
個人的に、マグネットのヘッドホンハンガーをケースにつけているのですが、こちらのケースには装着できないのが不便に感じています。
組み立ては上級者向け
裏配線スペースが狭いことと、配線スペースもガラスで外から見えることから配線難易度は高いです。(見た目にこだわらなければ難易度は落ちますが)
電源ユニットが上部にあることも難易度を少し上げています。ケーブルホール自体は十分に設けられていますが、CPUクーラーを装着した状態でマザーボード上部の配線は取り回しがしにくいです。電源ユニットが下部にあるケースの場合、上部ケースファンのスペースを利用してできるので、比較して狭く感じられます。
さいごに
実売価格が2万円台~3万円台のTorrentシリーズですが、構造がトリッキーであったり、樹脂パーツが多用されており万人にはオススメしにくいです。
しかし、唯一無二の造形であったり、フィルターやパネルの外しやすさはさすがのFractal Designです。メンテナンス性が非常に高いので、ケース単体としてみたときに満足度は非常に高いです。
空冷に特化しているので、noctuaファンにはオススメしたいケースです。
それでは、ゆうまろほーむの住人「Yu」でした。
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