こんにちは!ゆうまろほーむの住人、Yuです。
今回は、Corsair(コルセア)の PCケース「Crystal 680X RGB High Airflow Tempered Glass ATX Smart Case, Black(以下、「680X」という)」をレビューしていきます。
2022年9月にツクモで特価セール品を購入し、金額は 17,980円でした。
スペック
680Xは、デュアルチャンバー構造を採用した、大型のキューブ型 PCケースです。
マザーボードやビデオカードなどの主要パーツと、ストレージや電源などが異なる居室に分かれていることで、高冷却を謳っています。
フロント、トップ、サイドの 3面に強化ガラスを採用し、重量はケース単体で約 11kg!もあります。
項目 | 詳細 |
型番 | CC-9011168-WW |
対応マザーボード | E-ATX / ATX / Micro-ATX / Mini-ITX |
サイズ(W/D/H) | 幅344 × 奥行423 × 高さ505 mm |
重量 | 11.58 kg |
対応CPUクーラー高さ | 180 mm |
対応ビデオカード長さ | 330 mm |
搭載端子 | USB 3.0, ×2 USB 3.1 Type C ×1 Audio in/out ×1 |
搭載可能ラジエータ | フロント:120 / 140 / 240 / 280 / 360 mm トップ:120 / 140 / 240 / 280 mm リア:120 / 140 mm ボトム:120 / 140 / 240 / 280 mm |
搭載可能ファン | フロント:3 × 120 / 2 × 140 mm トップ:2 × 120 / 2 × 140 mm リア:1 × 120 / 1 × 140mm ボトム:2 × 120 / 2 × 140 mm |
付属ファン | フロント:3 × 120 mm(LL120 PWM) リア:1 × 120 mm(SP120 DC) |
カラーリング | ブラック、ホワイト |
外観チェック
それでは、外観を見ていきます。
ナナメ正面から見たところです。
写真では伝わりにくいですが、非常に大きいです。個人的にはやってしまった感がありますが、後述する組みやすさに繋がるため、自作PCの経験が少ない方でも簡単に組み立てができると思います。
反対側のサイドパネルには、防塵フィルターがマグネットで取り付けられています。
ストレージや電源の居室となるため、HDDを積む場合はエアフローに注意が必要です。
上部の入出力端子は現在だと標準的ですが、2019年の発売を考えると、Type-C接続や、ヘッドフォンマイク両対応端子はさすが高級ケースです。
ガラスのサイドパネルは、マグネットで固定されており、スイングドア方式で開閉ができます。
固定力は強くないため、移動の際は注意が必要です。
サイドパネルの蝶番部分はネジで固定されていますので、ドアを外す際は工具が必要になります。リーズナブルな PCケースでは、ネジどめされていないことが多いですが、こちらは一長一短となるポイントだと思います。
ガラスパネルを外して、中身の全容は画像の通りとなっています。
個人的に非常に嬉しいのが、ケーブルホールにゴム製のカバーが取り付けられていることで、配線時に”向こう側”が見えないのは仕上がりに差が出ると思っています。
フロント・リアともにケースファンが取り付けてあります。
こちらは反対側となります。
向かって右側は上から順に、ストレージ横置き、ストレージ縦置き、電源ユニットとなっています。
ストレージの格納部分で CPUのホールが塞がっていることがわかります。取り外して作業するのは、戻すのも大変なので、新規で組み上げる場合はマザーボード組み込み前にバックプレートを装着しましょう。
また、中央部には、コルセアのRGB制御用HUBが最初から設置してあり、付属ファンからRGBコネクタが接続されていました。
RGBコネクタの場所を変更しようと挿しなおしたところ、端子部に手書きで「1」「2」「3」を書いてありました。一瞬、ツクモが返品戻り品を誤って販売したのかと思いましたが、そのほかの部分が特に問題なかったので、コルセア出荷時から書いてあるのでしょう。
斜めから見るとわかりやすいのですが、3.5インチHDD3個分以上の幅があることがわかります。
裏配線は、結束バンドでしっかりマネジメントしなくとも絶対に収まります。
ただし、古いパーツを使用する場合は、ケーブル長が短いことがあるので注意が必要です。
付属品は、画像ですべてとなっております。
左に見えるフィルターは、トップにラジエータを設置しない場合に取り付けるものになります。
ケース下部には、スライド式の大型フィルターが設置されており、メンテナンス性が高くなっています。
コルセアや Fractal Designのケースはフィルターのつくりもしっかりしている機種が多い印象です。
トップにラジエータやファンを取り付ける際に、ガラスを取り外す必要があります。
4点にとめられているマイナススクリューネジを回して取り外すことができます。
ガラス側にはゴムの緩衝素材と、本体側にはしっかりハマる突起がついています。
以前ご紹介した、「ZALMAN S4」や「ENERMAX PABYS PB30」を例にとると、サイドパネルにこの突起がほとんど無いことから、少しずれた状態でネジを回してしまい、ゴムをえぐってしまうような状態になります。
そういったケースはなんども開け閉めしているとゴムが劣化してしまうため、非常に気になります。
しかし、この 680Xのように突起があると、ネジを締める前にしっかりと固定することができるので、スムーズにダメージなく固定できるので嬉しいポイントです。
パーツ組付け
680Xの口コミやレビューを見ていると、マザーボードスタンドオフの高さが短く、IOポートがバックパネルから出てこないという報告が多数あります。
下記の 2つのマザーボードで確かめてみましたが、確かに若干沈みこみはあるものの、問題ないと思いました。
- ASUS H87-PLUS(LGA1150 / H87)
- ASUS ROG MAXIMUS XIII APEX(LGA1200 / Z590)
最新ロットだと修正されているのか、もしくは対応できないマザーボードがあるのかのいずれかと思われます。ほかのケースだとしっかりとツライチになるところが若干段差になる感じはあるので、神経質な方はやめておいた方が良いかもしれません。
今回は、トップに 280mmラジエータを取り付けました。
ラジエータを取り付ける際は、ケースに直接ネジで固定するのでなく、着脱可能なパーツへラジエータを固定して、戻すという方法になります。
特にトップへ取り付けるときは、ぶら下がる形で手が足りないということも起こるので、フレンドリーな設計だと感じました。
こちらがすべてのパーツを組み込んだ図となります。
今回は、ケース、メモリ、簡易水冷クーラーをコルセアで統一してみました。色で統一よりも、メーカー統一の方が所有欲があります。
個人的にスカスカな PCは好きではないのですが、黒で統一することができたので、締まって見えて格好良いです。ただし、大きさは超大きいので、画像に騙されないこと。
裏配線はとても褒められたものではないですが、これでも余裕で収まっていることがわかります。
ストレージ増設やハイエンドビデオカードを搭載しても、問題なく裏配線ができるでしょう。
フィルムを剥がしていないので若干ぼやけていますが、きれいに光っています。
「iCue」を初めて使用したのですが、非常に面白いソフトだと感じました。
たとえば、「ウォーターブロックの中心は〇色、外周は〇色」であったり、「ファンの中心は点滅、外周は回転」という風に、光り方や色の指定が細かく、そして簡単に設定できます。
これまで、各社マザーボードメーカーの統合ソフトを使用しましたが、iCueが一番 RGB制御に優れていると感じました。
見えない部分が…
高級の部類に入るケースですが、すべてが完璧ではありません。
まずは、私が剛性に一番注目しており、当ブログでもレビューの際に一緒に書いているのですが、680Xはサイドパネルの剛性が低いです。
同じコルセアの 4000Dを剛性が低いとご紹介しましたが、それより少しだけ優れている程度です。具体的には、NZXTの H210や DeepCool MACUBE 110といった、10,000円以下の PCケースよりも劣っています。
ケースのサイズが大きく表面積が大きくなると剛性が不利になりますが、それでも低いと感じました。In Winという大きいのに剛性が非常に高いメーカーもあるので、それでは納得はできません。
また、デュアルチャンバー構造の弱点でもありますが、電源とストレージの居室に熱がこもります。私は M.2 SSDのみなので、ストレージ室の熱による速度低下などはありませんが、デフォルトの状態だと電源ユニットの吸気と電源の排気のみとなるので、ストレージへは一切空気があたりません。
背面に小型ファンを取り付けられる部分があるので、2.5/3.5インチストレージを設置する場合は別途用意することを推奨します。
ラジエータの取り付けに注意
これは、完全に 680Xの設計ミスだと思っていますが、280mmラジエータを設置すると、CPU電源ケーブルが急激に曲がってしまいます。
この記事の前の方の画像でお気づきの方もいらっしゃると思いますが、当初は、メッシュ編みのスリーブケーブルを使用する予定でした。
しかし、ラジエータのファンの羽に当たってしまい取り付けができませんでした。比較的スリムな電源ユニット付属のケーブルでも、画像のとおりストレスになっているので、継続使用が心配になります。
恐らく、CPU電源ピンがもう少し下にあるような、入門用マザーボードなら余裕が生まれると思いますが、このケースでハイエンドマザーボードを搭載できないのは設計ミスだと思います。
今回は、ケースと同じコルセア製の簡易水冷なので、もう少しバッチリはまってほしかったです。特にフロントには標準で商品の目玉となるファンがついているので、360mmよりは 280mmの採用ケースの方が多いと思います。
試していませんが、240mmラジエータであれば、若干スペースに余裕ができるので安全に設置できるかと思いますが、わざわざ冷却性を落としたくはないですね…。
マグネットが付かない
こちらのケースは、一部を除いて金属製となっていますが、マグネットがほとんど付きません。
私は、NZXTのヘッドフォンハンガー「PUCK」を使用していましたが、マグネット取り付け不可を受けて、別の場所に設置しました。
リアファンのグリルあたりには取り付け可能ですが、冷却性が下がるので無し。右側のサイドパネルにはしっかりと取り付けられますが、部屋のレイアウトによっては利便性が下がるでしょう。
さいごに
価格の割に、うーんという部分があり、コスパが良いとは感じませんでしたが、他にはない拡張性と独特なデザインで価値は十分あると感じました。
2022年9月購入時点でセール価格 17,980円で、2022年10月現在の価格.com最安値が約 24,000円となっており、お得感が薄れていますが価値はあるでしょう。
特に、フロントの「LL120」ファンは 3個セットで 10,000円以上しますから、ケース自体の金額は安くなります。(ケース自体の金額が安いからつくりも高くないということ…?)
簡易水冷が干渉したり、フロントのフィルタ取り外しがボトムのようにいかないなど、やや設計が古い部分もありますが、現在でも組み立てやすい部類に入ると感じました。
ベテランはもちろん、初心者の方にこそオススメしたいケースです。
それでは!ゆうまろほーむの住人、Yuでした。
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