【自作PC】ロングセラーの理由が分かる。「Thermaltake Versa H26」は、H17やH18のATX版ではなかった。【PCケース】

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こんにちは、ゆうまろほーむの住人、Yuです。

今回は、Thermaltake(サーマルテイク)社のロングセラーPCケース、「Versa H26」を初めて買ってみたのでご紹介します。

結論としては、売れているのが分かるケースでとても満足できるケースだと感じました。弟分のH17とH18を使用したことがあったため、それらの大きいバージョンでしょう?と思い買ってきませんでしたが、設計や細かな点が明らかに上位機種であることが分かりました。

スペック

まずは、スペックを確認していきます。

項目詳細
型番ブラック:CA-1J5-00M1WN-01
ホワイト:CA-1J5-00M6WN-01
対応マザーボードATX / Micro-ATX / Mini-ITX
サイズ奥行464×幅220×高さ493 mm
重量6.08 kg
対応CPUクーラー高さ160 mm
対応ビデオカード長さ310 mm
搭載端子USB3.0 x2
USB2.0 x2
オーディオ端子(マイクx1, ヘッドフォンx1)
電源ボタン
リセットボタン
搭載可能ラジエータフロント:120/240/360 mm
トップ:120/240/360 mm または 140/280 mm
リア:120 mm
搭載可能ファンフロント:120 mm x3
トップ:120 mm x3 または 140mm x2
リア:120 mm x1
付属ファンフロント:120 mm x1(ブルーLED)
リア:120 mm x1
カラーリングブラック / ホワイト

Versa H26は、電源ユニットの居室が分かれており、サイドパネルが透明と現代的でありながら、5インチベイを搭載するケースです。

DVDやCDを使用する昔ながらのユーザー、今どきの魅せるユーザーの両方からも人気が高く、2017年発売以来ずっとランキング上位にいるモンスターケースです。

弟分に、Versa H17とH18がラインナップされていますが、比較してどうなのか、チェックしていきます。

外観チェック

それでは、開封しながら外観をチェックしていきます。

Versa H26 外箱
Versa H26 本体

Versa H26は取り出した時点だと、目の粗い保護フィルムがアクリルサイドパネルの両面に貼られています。

レビュー・口コミなどで、「写真と違って中身が見えない!」という意見を見られますが、なるほど納得しました。

ガラスパネルの商品のフィルムは、明らかに貼ってある感がありますが、Versa H26のフィルムは端までしっかりツライチで貼られているので、一見フィルムには見えません。

おそらくは、フィルムが付いたまま大きなアクリルパネルをカットしているため、パネルとフィルムの境目まで綺麗に揃っているのでしょう。大量生産でコストカットという背景を感じ取れます。

Versa H26 本体

フロント端子類は、フロントパネルに集約されていますから、ケースファン追加時にパネルを外す際は細心の注意が必要です。

Versa H26 背面ブラケット

背面の拡張カードブラケットです。

最上段は、ネジどめされ着脱可能となっていますが、その他の段については切り取り式となっています。ここは、兄弟機種のH17、H18と同様にコストカットが見られます。

Versa H26 底面
Versa H26 底面フィルタ

底面にはダストフィルタが設けられていますが、樹脂製フレームに網が取り付けられているしっかりしているものでした。

H17、H18、他社製の同価格帯では網だけ本体のツメに引っかけているものが多いですから、ここは驚きました。

Versa H26 脚

Versa H26の”脚”部分は、ゴムパーツが取り付けられており、振動の共振防止に役立っています。

また、樹脂素材ではありますが、光沢があり高級感を感じられます。

Versa H26 アクリルパネルの固定部分

アクリルサイドパネルの固定は、ケース本体側にあるゴムの受け部分に嵌めてから固定する方式です。抑えながらでなくても固定できるため、ケースを立てたままパネルを外して改造したりできます。

Versa H26 内部

アクリルのサイドパネルを外した図です。

まず目についた部分は、ケーブルホールにゴムのカバーが付いているところです。H17、H18ではカバーが無いため、裏配線が表から見えてしまいますが、Versa H26では目隠しができるようになっています。

Versa H26 内部

電源ユニットのカバー部分は、フロント側がメッシュで、リア側が密閉されています。電源ユニット周りは配線が見えてしまうのを防ぐことができます。

Versa H26 フロントファン部

フロント側はネジで固定されていますが、メッシュカバーを外して、ファンの取り付けやラジエータを増設することができます。

また、ケースとフロントパネルの間に25mm厚のファンを取り付けることも可能です(写真では右側の外側)。LEDファンであれば、フレームで光が遮られないので、そちらをおススメします。

Versa H26 サイドパネル固定

裏配線側のサイドパネルの固定ネジですが、この価格帯にありがちな取り外し式でなく、ケースに固定されているタイプでした。取り外したネジをなくす心配もないですし、ちょっとした親切設計が嬉しいです。

Versa H26 裏配線スペース

裏配線スペースの全容となります。

CPU裏が広く開いているため、マザーボード取り付け後も難なくCPUクーラーの取り付けが行えます。

Versa H26 裏配線スペース

裏配線スペースは広くとられているため、自作PC初心者の方でも比較的簡単に裏配線することができそうです。

Versa H26 ドライブベイ

電源ユニットに隣接するドライブベイは、表側の上部と底面からネジどめされているので、外すと写真のように分解できます。

一般的な底面だけネジを外してスライドするタイプではなかったので、非常に珍しく感じました。

Versa H26 マザーボード取り付け

マザーボード取り付け時に、ケースの端が内側に折り込まれているため、大きいドライバーだと斜めに回すことになります。

私は、マキタの電動ドライバーを使用してPCを組み立てているのですが、かなり角度がついています。

Versa H26 リアファン取り付け

リアファンの取り付け部分には、ネジが段階的に取り付けられるようになっています。

無段階で取り付けると固定時に滑ってしまうため、個人的には、移動負荷のタイプか、Versa H26のように段階になっているものが好ましいです。

Versa H26 マグネット式ダストフィルター

トップパネルには、マグネット式のダストフィルターが装着されています。

触るとずれてしまうので、マグネット式は好きではないですが、1万円を超えるケースでもマグネット式が多いのため、特別Versa H26が悪いという訳ではありません。(慣れてきました…)

Versa H26 トップファン

メーカー公称値では、トップに360mmラジエータまたは、120mmファンx3が取り付けられるとありますが、一番フロント側に設置すると、端子類のコードとやや干渉してしまいます。

しっかりケーブルを束ねたり、ファンにグリルを設置することで干渉しなくなりますが、精神衛生的には良くないと感じました。

取り付ける場合は、240mm、280mmラジエータで抑えておく方が良いと思います。

5インチベイが排他利用になっているため、ファンを3個または、ラジエータ設置時は5インチベイが1か所のみとなる点も注意が必要です。

良いところ

下位モデルと明らかに違うつくりのよさ

外観チェックの項でも触れていますが、多くの点で明らかにH17やH18とつくりが異なります。

改めて列挙すると、底面のダストフィルターにフレームが付いている、脚が光沢がありゴムが付いている、ケーブルホールにゴム製カバーが取り付けている、サイドパネルの固定ネジがパネルに固定されている、…などです。

おおよその相場として、Versa H17/H18が3,500円前後、Versa H26が4,500円前後です。

1,000円の価格差以上の差があると感じましたので、究極にコストを抑える場合、Micro-ATXサイズでないとダメというケースでなければ、Versa H26をオススメします。

万人受けしやすい設計

Versa H26の最大の特徴でありますが、5インチベイが2個、そして360mmラジエータが取り付け可能、中身が見えるサイドパネルなど、あらゆるニーズを満たしています。

2017年の発売と、PCケースの変革期に発売されているため、ノスタルジックな面とモダンなデザインを融合させている、なるほど売れている訳だというケースです。

サイドパネルの受けがゴム製ではめ込み式

この部分を気にする方は、PCケースを頻繁に触るか、たくさんの種類を触っている方だと思います。

サイドパネルを本体の受け部分に固定してネジどめするタイプは作業性でかなり優れているので、組みなおしや掃除などメンテナンスをする際に差がでます。

気になるところ

サイドパネルがアクリル製

ガラスパネルの商品がほとんどとなっている2022年現在において、アクリルパネルは一つの懸念材料です。ガラスと比べると、傷がつきやすく、透明度も劣ってしまします。

同価格帯のライバル、ENERMAX PABYS PB30はガラスパネルとなっていますが、ケース本体のつくりに関しては、Versa H26の方が明らかに優れています。

アクリルはこの値段を実現するためのコストカットの他なりません。

実際にVersa H26のガラスバージョンが販売されていますが、1,000~2,000円ほど高くなります。

拡張ブラケットが切り取り式

私が気にするポイントの1つで、ビデオカードを装着するための拡張用ブラケットが切り取り式なのはマイナスポイントです。

通常、一度組み立てたPCを分解したりすることは少ないですが、埋められないという事自体が精神的によろしくないです。

市販品のカバーを付けるというのもアリですが、純正かどうかというのもポイントだと思っています。

見た目が安っぽい

つくりの良さを感じますが、出来上がりが安っぽく感じました。

5インチベイがあって今どきでないからなのか、サイドパネルがアクリル製だからなのか、金属や樹脂の表面の処理なのか理由は定かではないですが、NZXTやCorsairなどに比べると明らかに”安いケース感”があります。

同価格帯のDeepCool MACUBE 110は高級がありますから、実際の値段を感じさせている点はデメリットだと思いました。

個体によりハズレがある

他人へ譲渡用にVersa H26を2台購入したのですが、うち1台が、サイドパネルが閉まりにくいというものでした。

おそらくはアクリルの固定用穴位置がずれていたのだと思いますが、かなり力を入れてずらしながらようやくパネル取り付けができました。

大量生産のため、”ハズレ”があるのは承知ですが、手元にいざ来ると率が高いのではと思ってしまいました。

2022年、これからの時代は…

これから、Versa H26を使って自作PCを組む方へ注意したいことは、ビデオカードが入るかどうかです。

Versa H26のビデオカード最大搭載可能サイズは、長さ310mmまでです。

RTX4000シリーズで従来よりさらに大型化したビデオカード、今後もしばらくは大型化が続きそうなので、長くケースを使う、ビデオカードのアップグレードを視野に入れている方は、「買ったけど入らなかった…」が無いように数字を確認しましょう。

剛性について

Versa H26 完成図

私が最重要視する剛性についてです。

剛性は、5,000円以下と考えると悪くありません。商品重量が、6.08kgという数字からも読み取れるように、比較的しっかりしたケースです。

1万円を超える、NZXT HシリーズやInWinのケースと比べると見劣りしますが、DeepCool MACUBE 110と同等、ENERMAX PABYS PB30より優れた剛性があります。

さいごに

毎日のように価格.comを徘徊しているため、数年間ずっと見てきたVersa H26ですが、良い意味で裏切られました。

H17とH18に関しては、発売して間もなく使用して、”値段なり”感を感じていました。H26はその兄貴分ということで、ATX対応しただけ、という決めつけで全く興味を持たなかったのです。

実際に触れて、細かな部分で差を感じ、次またコスパ重視で買うならと聞かれたら、H17とH18を買うなら、間違いなくH26を買うと思いました。

メッシュ部分が多く、エアフロー的にもi9/Ryzen9クラスのCPUや、ハイエンドビデオカードも冷却に問題ないですが、やはり見た目がチープに感じますから、構成相応のケースを選びたいところです。

それでは、ゆうまろほーむの住人、Yuでした。

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